児玉桃さんのメシアン・プロジェクト2022、浜離宮朝日ホールで3日間に渡って催されます。児玉桃さんは、1歳で渡欧、パリの国立コンセルヴァトワールをご卒業され、今回のジュネーブ、ロン・ティボーをはじめ、数々の国際コンクールの審査員をされ、ドイツの国立カールスルーエ音楽大学の教授もされ、演奏活動はもとより、教育活動にも及び、ヨーロッパを中心にご活躍されています。私個人としましては、パリのイメージが強い方なのですが、ヴェラ・ゴルノスタエヴァ、タチアナ・ニコラーエワにも師事され、西ヨーロッパの確固たるハーモニーに基いたロジックとロシアの影響も感じさせられる演奏をされる方です。僭越ながら、このハーモニーに基づいたロジックがある演奏をする演奏家は、実際には世界を見渡せど多くはいないと感じます。それがなければ、メシアンはもとより現代音楽をどう捉えるかを理解できるはずもないと考えています。幼少期からヨーロッパで過ごされてきた児玉桃さんの演奏には、その確固たるロジックが底流に存在します。それに加えて、独特な光沢のある美しい響きをお持ちの演奏をされます。そのタッチは鋭敏で無駄の無い研ぎ澄まされた非常に高度な次元であります。例えばショパンにおいても、それらのことが反映されており、一般にショパンという作曲家はいかようにも弾かれていますが、よく耳にする感情的な部分をクローズアップする演奏ではなく、深い洞察からくる、なんとも繊細でありながらも大胆であり、テンポ・ルバートもハーモニー感に基づいた美学的見地の高さからくる洗練された特異なセンスが存在し、然りとて、そこに留まらない深淵で哲学的であるばかりでなく、それは既に霊的でもあり、宇宙とも言える演奏です。つまりは真の芸術家と呼ぶに相応しい演奏をされる方です。くどくどと私見を述べましたが、お時間とご興味のある方は、どうぞ足をお運び下さい。