私もなんだかんだと、いつも日本のこと、日本の音楽界のこと、日本の教育のことなど、さまざまな問題を感じ、この場で勝手に書いてはいるが、その実、日本に生まれて良かったと思っている。
日本のことを良くも悪くも知るには、外国に住んでみたりしないと、外側からでないと見えにくい。
先日、ピアニストのクリスティアン・ツィメルマン氏のインタビューを読んでも、日本を絶賛していた。ご存知だと思うが、氏は日本にも家を持っているほど、日本が好きらしい。
私も、日本には日本にしかない良さがあると思うのだ。まずはヨーロッパに住んでいた時にさまざまことに対して思ったものだ。そして、その思いは年齢を重ねるほどに増している。
もちろん、ヨーロッパの魅力は確かにある。特にヨーロッパの音楽と日々接し、対峙しているわけだから。
でも、日本には日本にしかない魅力がある。確かに、いろいろな方が、戦後日本の文化は、アメリカに乗っ取られたとおっしゃる方もいて、私もなるほどと思う部分もあるが。それにしても、侘び寂びという言葉が日本語にはあり、それは何かと問われた時に、全く説明はできないのだが。日本人としては、これでは失格なのかもしれないが、多くの日本人も感覚的にはわかっても言葉で説明できないだろう。でも、この感覚をなんとなく理解できることに、私は喜びを持っているし、誇りにさえ思う。以前から述べているが、日本的感覚とヨーロッパ的な何かを融合させ、日本人にしか出来ないような演奏をするべきだし、してもいいと思う。日本の文化に誇りを持った上で、良い部分を認識した上で、ヨーロッパの文化、音楽と対峙することが大切。