私は、今日に至るまで、おおよそ25年ほど、教育活動をしてきた。私の名前をネットで検索すれば、その人のプロフィールに私の名前があるのだが。知らない方からすると、私に師事した誰しもが、ロシアピアニズムの響きを出すことができて、それを教えられると思うだろう。
だが、実態は違うのだ。
人にもよるが、最低5年から10年、いや、それ以上レッスンを基本毎週受け続けて、やっとロシア的な響きが出せるようになるのが通常。
今までおよそ1000人ほどの生徒と出会ってきたが、その約8割以上は、その響きが出せるようになる前に辞めていく。皆、挫折するのだ。私のイメージでは、ロシア的な響きを出せるようになった生徒は10人いるかいないか。それが実態だ。確かに私のレッスンを受けていたのだから、プロフィールに嘘はない。でも、名前があるから、私の音が受け継がれているわけではない場合の方が圧倒的に多いのだ。
それとは裏腹に、私のところへ来れば上手くなれる、コンクールに入るという短絡的とも言える気持ちでほんのいっときだけ、しかも、内緒でレッスンを受けに来ていて、もちろんプロフィールにも私の名前は掲載されていないが、とても有名になってピアニストととして活躍している者も何人もいることを付け加えておこう。