ふと思い出した。私の子供の頃、そういう時代だったのだろうが、どの先生のお宅に伺っても、ピアノはじゅうたんの上に置かれていた。先生によっては蓋も閉めたままで弾かされた。
もちろん、響きは聴こえない。ピアノの音はコツンというだけで、一瞬で消えてしまう。そんな状況で、チェルニーのエチュードをしっかりと弾かなくてはいけなかった。当然、前腕の上部は痛いし、その痛みに耐えながら弾き続けた。
今にして思えば、それが当たり前だったのだが、よく頑張って弾いていたものだ。とにかく、ピアノを弾くということは、がんばらければならないのが普通だった。それを思えば、今は時代が良くなったと思う。