アルフォンス・コンタルスキー先生は、スクリャービンの9番「黒ミサ」と10番はレッスンしてくださったが、幻想曲は却下されレッスンで聴いて頂けなかった。敢えて理由は訊かなかったが、先生の哲学なのだろう。まあ、ショパンを好まない方だったので、何となくわかるような気はする。音楽の捉え方が横ではなく縦だったのだろうと思う。それにしても、レッスンに何を持っていても、演奏会の如く、弾いて聴かせて下さった。とにかく、何でもすぐ弾けてしまう。演奏家というものは、こういう次元の方なのだと思ったものだ。おもしろいのは、いつもウイスキーだか何かを飲みながらほろ酔いかげんでレッスンしていた。それでも、ノーミスでバーっと弾いてしまうのだ。