コンクールにしても試験にしても、受かる人の方が少ない。特にコンクールは。受かる人はいいけど、落ちる人のことを考えると、心が痛む。その人にもよるが、私は学生時代、落ちた経験があるので、しかも、ノーミスで弾いて落ちた時に、心のやり場がなかった。高校生だったからかも知れないが、人間、そこまで強くはないだろう。それを考えた時に、むやみやたらに受けるものではないと思う。落ちれば傷つき、やるせない気持ちになるだろう。そんな経験させるのは、どうかなと思ってしまうのだ。確かに、それをバネにして這い上がれる人もいるだろうし、それが勉強になるとも言えるのかも知れない。でも、やたらに受けまくって、数打ちゃ当たると思ってコンクールを受けている人もいるが、そうなると、なんだか一回の演奏の重みが無くなってしまうような気がする。どこか、落ちることが当たり前になって心が麻痺してしまうかも知れない。そうなってしまったら、受かるどころか、演奏の質そのものが低下してしまう危険があるように感じる。