私の印象なのだが、ヨーロッパに留学している日本人学生は、大きく分けて二つに分かれていたように思う。簡単に言ってしまえば、勉強しにきている人と、もう一つのタイプは勉強してないわけではないが、どちらかと言うと留学したという経歴と、ついでに国際コンクールの経歴がほしいがための留学というか。まあ、生き方は人それぞれ、何が目的でも構わない。ただ、ひとつ言えるのは、とにかく孤独であること、そして、厳しい世界であるということ。人によっては国際コンクールで入賞出来るまで日本には帰れないという思いで、遠い異国暮らしをしている。何とも過酷な現実。思うに楽しい留学生活なんてあるのだろうか?と思う。上を見ればキリがないが、弾けて当たり前の世界であり、それを現実に目の当たりにしてショックを受ける人もいるだろう。世界中には山ほど才能豊かなひとはいるものだ。とにかくいろいろな意味で苦しいのが留学生活だと思う。プロの演奏家を目指すにしても、そうではなく、深く勉強をし真の芸術家を目指すにしても、ヨーロッパで打ちのめされる人がほとんどだと思う。よほどの図太い神経の持ち主でもない限りか、よほどの幸運に恵まれない限り、諦めて帰国する人の方が多いのではないかと思う。それが日本人留学生の私の印象である。