私のレッスンでは、生徒に対して、技術的にも音楽的にも、ある意味、一般的とは真逆の事柄を教えていると言えなくもない。日本全国に根付いている既存の概念とは大きくかけ離れている。習いに来る生徒達から感じられるのは、私のレッスンがそういう類の内容であると薄々感じていて申し込んでくるのだが、今までの約25年間で1000人近くの生徒達との出会いを振り返った時に思う、感じることがある。その1000人の中で、本当にレッスンを受けることによって、自分が変わりたいという欲求を持って通ってくる生徒、そういう生徒はごく少数に限られると感じる。いわゆるそういう思いのある生徒の心は純粋な熱意が存在する。それに対して、そうではない何か、その目的は様々だが、そういう生徒の方が多いと言わざるを得ない。私は私のレッスンを受けることにより、レベルはどうあれ、その人なりに変わってほしいと願ってレッスンしている。だが、多くの生徒から感じるのは、その根本的な変わることを恐れているのではないかと思ってしまうほど、変わろうという気持ちを感じることが出来ない。別の言い方をすると、今ある自分に何かを足すという軽い気持ちでレッスンを受けに来るような人が多いのは残念だ。私は私の知っている限りの広い視野から、弾き方はのみならず、感じ方、考え方、挙げればキリがないが、思いつく限りの事を惜しみなく出しているのだが、そんなことには関心も持たず、ただ単に音が響くようになればいいとか、弾けるようになればいいとか、それによってコンクールや受験で良い点がもらえればいいなどと思っているのではないか?という輩もいる。自分を大きく変えることができるチャンスでもあるというのに、そのことの大きさをわかっていない。変わりたいとさえ思っていないのではないかという人たちを大勢見てきた。ここまでくると、変わることを望んでいないと思ってしまう。そこで思うのは、何度も言っているが、要するに芸術をするということの本質がわかっていないから、そういうことになると思ってしまうのである。非常に根本的なところに問題があり、それを踏まえていないところで、軽い気持ちでピアニストになろうとか思っているのだろう。最後に、変わること無くして成長はないという基本的なことを見失っていると感じる。