よく教養のない演奏だなどと批判するのを耳にする。それでは、教養って何?
言葉の定義、捉え方にもよるが、多くの人が知識だと思っていると思う。
プロだから、その作曲家のことをいろいろ調べなくてはならないと考える人は多い。それはそれ。それは、教養ではなく知識だと私は思う。技術を含め、知識が豊富なことが、良い演奏につながると思っている人は大勢いる。確かにそれはある意味では正しい。でも、それはあくまでも教養ではなく知識だと私は思う。教養という言葉を私は、知識に基づいた根本的な範囲のことだけではなく、哲学、品性、感情、衝動、愛、宇宙、寛容、和、だと捉えている。教養ある演奏とは、そういう演奏だと思うし、私は教養という言葉をそのように捉えている。教養ある演奏をするには、長い長い年月が必要である。