子供の頃から家にはピアノのレコードがあった。何となく興味を持って気がつくと自ら聴いていた。
記憶にあるのは、今からするとフランスのピアニストのレコードは、どれもこれも気に入らなかった。なぜなら、どのピアニストもあっさりとした音楽で、何しろ音が硬いと思った。何の先入観もない頃、右も左も分からない状態で、そんな有様だったから、それが私の美的感覚だったのだと思う。昨今は子供の時ほど、そのようなことを思わなくなったのは幸いである。