現代音楽の大家、矢沢朋子先生を差し置いて、僭越ながら思うのだが、最近、生徒の弾く武満徹を聴いていて、実は非和声音に惑わされているだけで、普通の調性音楽に聴こえる。現代に書かれてはいるが、現代音楽とは思えない感覚になった。例えば、シェーンベルクの作品を聴いていても、以前の感覚とは変化し美しいと感じるようになった。
不思議なことなのだが、自分では意図していない変化だ。
要するにハーモニー感が鋭くなってきたのかもしれない。
そうなって初めて、現代音楽が美しく感じるようにならなければ、バッハも何もかも、弾くことはできないと思うに至った。実際、個人的にはバッハこそ時代の先取りでグロテスクな作曲家はいないと思う。