ショパンのエチュード 作品10-3。通称「別れの曲」は長調で書かれている。にもかかわらず、まるで短調のような雰囲気をまとっている。同じくホ長調のノクターン第18番 作品62の2も夕陽のような、人生の秋を連想させる。
ショパンならではの哀愁に満ちた世界観は、長調であっても短調の性格を帯びる。
まさに天才のなせる技であり、天才ならではの感受性の賜物であろう。