心の話なのだが、人間は強い人も弱い人もいる。おもしろいことに一見心が弱そうというか、あたりが柔らかい人に限って、実はとても強い意志があったり、時には強情だったりする。その逆も然り。私は自分の心がやわだと思っているから、もっと強くなれればいいと切望している。自分の著作に悪いレビューが増えると人並みに落ち込むほどだ。因みに有名な作家の方も意外なことにレビューを気にしてみてしまい、同じように落ち込むという。
これは訊いた話なのだが、人は一般に他者に対して共感してほしいと思っているが、それを求めなければいいということ。共感してもらわなくてもいいと思えれば、確かに強く生きられるのかもしれない。心が解放されるのかもしれない。
芸術のことを考えてみると、他者とのコミュニケーションであるから、共感される方がいいのだが、しかし、共感されなくてもいいという強い信念、思いがあるくらいでなければ、独自の芸術なんて生まれないのかもしれない。ロシアピアニズムなんて、日本のピアノ界ではまだまだ理解されない、四面楚歌だが、それでもいいではないか!皆から共感されなくてもいいと思いたい。そもそもそう思うこと自体図々しい。強い心を持つことは、芸術家にとって必然なのかもしれない。