人はある演奏に対して、良いとか悪いとか、判定を下してしまう。
よくよく考えたら、それはその人のおごりかも知れない。
音楽に、演奏に、良いとか悪いとか判定するのは、判定する本人の深層心理に自分では気が付いていない、もしくは悟られたくない複雑でデリケートな何かが存在するがために起こるのではないだろうか。
確かに好きとか嫌いは致し方ないとは思うが、良いとか悪いと判定している人は、いったいどこに立って言っているのか。そんなに高いところから見下ろしている事自体、私にはその人のおごりとしか思えない。本音では。
いいではないか。どんな演奏だろうと、そこに音楽が存在するだけで。
ショパンコンクールに於いて、入賞できた人も、できなかった人も、みんなそれぞれ、立派なものだ。
そんなことを、ショパンコンクールが終わってみて、ふと思った。私自身に対しての戒めでもある。