人は社会に生きていている。だから社会と融合するべきだと思う。それが分別ある大人だ。
ただ、何人も入り込めない領域は絶対に確保するべきだ。それを守り抜く頑なまでの強い意志。それは、確固たる信念を持ち、確固たる自分自身への、確固たる作品への深い洞察。
それはとてもとても孤独な世界とも言える。他者はもちろん、自分自身でも全てを把握してきれない何か。把握しきれない特別な特別な大切にしたい何か。把握しきれないから、終わりのない旅を続けるのだ。永遠の終わりのない旅。とても孤独な。それが芸術をやることの根本なのかもしれないと感じる。それほど芸術は圧倒的な存在だ。簡単に手に入るものではない。簡単に手にしてしまった芸術は、芸術のように見えて実は芸術ではない。それは芸術の仮面を被っただけの偽物に他ならない。もしかすると、偉大な過去の芸術家は命と引き換えに崇高な芸術を手に入れることができたのかもしれない。厳しいようだが、現代の愚かな者はお金と引き換えに、偽の芸術を手に入れているのかもしれない。