楽譜を読む際、おさえるべきこと、それを手ががりとして楽譜を読み解くポイントはいくつもあると思うが、そのひとつに終止形があると思う。これは、バスの声部だけでなく、内声にも、ソプラノにも、フレーズの終わりだけでなく始まりにも、そこらじゅうに存在することに気がつかなければならない。実はこんなところにあると、楽譜をじっくり読むと気がつくことがあるはず。読んだだけではわからなくても、実際に、どこかの声部を取り出して弾いてみると感じることもある。そんな、まるでそこらじゅうに埋めてある地雷のように終止形は存在していることに気がついているだろうか?その終止形を、もしくは終止形的な音の展開を見逃すことなく捉えることは、楽譜を読む際に、実に重要な手がかりとなる。作品によっては、例えばシューマンのトロイメライなど、次から次へと終止形が存在することに気が付かなくてはいけないし、それを感じ、表現しなくてはならない。だから、言わずもがな、トロイメライが易しい曲などと思っていたら、それは大きな勘違いであり、ノリだけで弾くなら、それがなくても十分だが、芸術作品として対峙しようと思ったら、とんでもなく難しいということを実感するだろう。