楽譜を眺めているのは楽しい。もちろん、それを音で鳴らしたら、もっと楽しい。でも、音で鳴らす前に、弾いてみる前に、楽譜を読むということが、どういうことなのか?改めて考えてみてほしい。人により楽譜の読み方は異なり、さまざまな視点、切り口から作曲家の残した音符を手がかりに、まるでミステリーを読むかの如くに謎解きをすることになる。音符そのものが、事件であり、死体であり、スパイであり、犯人であると言える。そして探偵ポアロはあなた自身だ。話は曲を追うごとにめくるめく展開を見せる。そこにはそこらじゅうに伏線が存在していることに気がついてるだろうか?そういう例え方ができる楽譜の読み方をしているだろうか?そもそも、私が何を言っているのか理解できるだろうか?音楽がミステリー?などと想像できる感覚で楽譜を読んでいるだろうか?そういう譜読みが、演奏哲学に結びつき、哲学に基づいたことをしなければ、芸術的な演奏にはならない。