「エスプレシーヴォとは何でしょう?難しい質問ですね。自分の経験を全て出す。自らの心の状況を音楽に出す。何かを与え、伝えること。私は、それがエスプレシーヴォだと思います。」
この言葉はディーナ・ヨッフェ先生の言葉。
楽譜にはさまざまな言葉や記号が書いてあるのだが、このヨッフェ先生の言葉のように、エスプレシーヴォは表情を持って、では浅い読み方だと思う。強弱記号に関しても、必ずしも絶対的な音量のことだけを意味しているとは思わない。例えばフォルテと書いてあっても、深く読んだ場合、もしかしたら、それは例えば音量というより広さを表す場合もあり、必ずしも強く弾くわけではなく、ピアノで弾く場合もあると思う。
アクセントがついているからアクセントをつけて弾くという単純な事ではない。
そのような事、表現を可能にするのに必然なのは、音色であり、豊かな倍音なのだ。