友人の調律師、更家雅之さんから頂いたメッセージを掲載させて頂きます。
弦楽器や管楽器をやってこられたかたの多くが倍音を捉えていると思われる事はピアノと異なり発音(発声)の段階から音程にこだわり音色を作る事を求められるからだと思います。
ピアノは調律師が調律したものを打鍵して音を出すので一音の音程や音色にこだわる事なくきてしまいます。
これがピアノばかり弾いてきたかたが倍音を聴けない事につながるのではと考察します。
ピアノの音色を作る要素は物理的なハンマーやアクション、楽器自体の器や材質等もその基本としては大きく関係しますが一つの音に張られた2本〜3本の弦が発する倍音の混ざり具合によっていかようにも変わります。
倍音感覚の乏しい調律師が調律をすれば音がただ合っていると言うだけの基音だけが鳴っている状態になるでしょうし、また例え一本の弦の音程を調律するのであっても有効弦長と呼ばれる弦が実際に振動する部分と振動しない部分の張力の関係等により響きが異なる事は近年感じる事です。
ピアノと言う楽器はその部品数の多さや設計の複雑さから実は自由度の高い楽器だと言う事があまり認識されていないと思います。
そこに演奏者の奏法や弾き方によって、また体格によって(ピアノとの距離感や触れているためその人の身体の成分等)によっても様々に影響を及ぼします。
またそれらは調律をする調律師にも言える事であって、チューニングハンマーの材質によって作られる音色が変わるのも興味深い事実です。
後半部分はオカルト的にとらえられがちでそれを受け入れない調律師や演奏家も多いですし未だそのような事を提唱するかたもごく僅かですが、非常に些細な事がピアノから発する音には影響を及ぼしていると日々感じます。