シューベルトの言葉に「楽しい音楽なんてあるのか?」とあったらしい。
思うに芸術の本質、いや、人生の本質は、行き着くところ「悲しみ」にあると思う。死へ向かって生きているのだから。もちろん、日々楽しいことはたくさんある。でも、人生そのものが悲しいものだから、だから楽しみを追い、見出すことができるのかもしれない。悲しみを知っているから、楽しめるのかもしれない。
だから、ピアノの音も本質的に悲しみをまとっていなければならないような気がする。人生の悲しみがこもった音で。1音1音に慈しみがなければならない。だから、芸術なのかもしれない。芸術は人生そのものだから。