ドイツやフランスに留学するは、もういい加減やめよう!と言いたいのだが、まあ、個人の自由なので、あくまでも私の個人的な思いです。因みにロシアも含めて留学は必要ないという意味です。
日本人はそもそも、西洋に対してコンプレックスを持ちすぎだと思う。明治時代に西洋の方が優れていたのは特に科学の分野なんじゃないかなと思う。ドイツやフランスに留学して、ドイツやフランスの伝統を受け継ぎ、なんて発想に、もういいんじゃないかな?時代は変わったし、日本人には日本人にしか出来ない演奏を目指すべきじゃないかな?と思う。所詮、ドイツ人やフランス人の猿真似で終わり、どう頑張っても、日本人はドイツ人にもフランス人にもなれないのだから。ドイツに住んだらドイツ人になろうとパンとチーズが基本という日本人留学生は大勢いるだろうが、その心の奥には、やはりヨーロッパに対するコンプレックスがあるからではないのか。ヨーロッパやヨーロッパ人に対して強烈に憧れる思いは、同時に日本人であること、日本人としての自分のルーツを捨て去ることであり、心や考え方が短絡的というか思慮深くないと感じてしまう。むしろ、日本にはヨーロッパとは異なる世界観で培ってきた、それはそれは深い文化、芸術、伝統があるわけだし、それが日本人の体内にDNAとしてあるのだから。そもそも、もっと日本古来のことに目を向けるべきだと。例えば、国語の授業にしても、古典文学についての時間をもっともっと割くべきだし。中学生のときだったか、枕草子かなんかだと思うが、その古文の響きと独特のリズムが美しいと感じた。日本には日本独自の美の世界がある。演奏も日本人にしか出来ない、ヨーロッパ人には真似できない繊細な音楽が生み出せると思う。ヨーロッパ的な論理的な世界とは異なる、日本の非常に感覚的なことを大切にした世界観で。