いやー、ピアノの世界は果てしなく奥深い。日々色々考えていても答えは見つからない。なんでなんでしょうね?
まあ、そんなことは当たり前だと言われてしまえば、それまでなんですが。だって、私の思う処の世界の超一級の演奏をするピアニストなんて、それほど上手くなくても売れているピアニストは世界中に余るほどいても、なかなかいないですからね。
それでいいのかもしれませんね。

皆んなが上手い世界なんて絶対ない。
素晴らしいと言える人や物は、そんなに存在してはいけないのかもしれませんね。その方が希少価値があるからと。


で、今日はまた認識新たにした奏法の特徴の違いのひとつです。


私も含めて、幼い頃から指の関節をしっかりさせなさい!とレッスンを受けて来ました。しっかりさせないと手が安定しないし、芯のある音は出ません。だから、しっかり打鍵したり、リズム練習したりと悪戦苦闘したものです。
これによって、しっかりとした音。それは実は基音なんですが、その基音が鳴って、それで見事に弾けるようになると、先生から○がもらえます。これってチェルニーの世界を思い出しますね。それで、チェルニーのようなショパンのエチュードで受験、コンクールへと進むわけです。
表情のない、要するに音色の変化ではなく、強弱の変化のタイプライターのような演奏です。
未だに日本をはじめ世界中で行われている主流の演奏です。
それはなんでそうなるかと申しますと、関節で支えて弾いているからです。
そんな音を聴くと、私には硬い骨の音がコツンとピアノから聴こえてきます。倍音も何もあったものじゃないですね。歌わない音です。
それどころかまさに関節。関節が鳴ってるんです!と言った具合です。連想してしまうのは、人間が弾いているのではなく、まるで皮も肉も削ぎ落とした骸骨が弾いているようですね。


関節で支えている打鍵は鍵盤の底を押さえ込んでしまうので、響かないのです。それを響いていると誤解している、信じて疑わない教師や生徒で日本は溢れていますね。試験やコンクールにおいて審査する側の美意識というか、勘違いというか、無知というか、思ってしまうのですが、その方が良い点数が付いたりして評価されることも多いのは残念です。まあ、審査する側の経験不足というか、本当に美しい音を間近で聴いたことがないから、そういうことになるのだと思います。私がニコラーエワ先生の演奏を若い頃に間近で聴けたこと、ホロヴィッツの演奏を生で聴けたことは、私にとって大事件だったわけで、そのような経験をした人だけにしか、なかなか理解できないことなのかもしれませんが。ちなみにこのことは、残念ながらロシア人でも多く見受けられますので、ロシア人イコール美しい音ではないと思っています。たまたまロシア人には美しい音の人が多いとは思いますが、国籍とは関係なく、個人の感受性や思考、影響を受けた環境によるところが大きいと思います。

 


じゃ、どうするのかというと、関節は緩める。そして必要な筋肉で支えて弾くと、音は歌います!
その為には、正しい弾き方を知らなくてはいけないし、それに則った練習をしなければ、筋肉は強くならないし、いつまで経っても関節で支えて、骨の音で演奏することになります。  

 

なんで、皆さん気がつかないのでしょうね?そんなに骨の音が好きなんですかね?一度でもいいから、広い会場で同じ条件で倍音で弾く演奏と基音で弾く演奏を聴き比べてみていただきたいですね。ほとんどの方がビックリすると思います。倍音で弾かれてた演奏は物凄いですよ!


ですから、骨の音で弾いてるうちは詩情豊かな雰囲気のある演奏になんて、何百年練習してもならないのですね。