そもそも学生時代、自分の演奏、特にテクニックに疑問を持ったことから全ては始まった。それがなかったら今の自分はいない。自分で言うのもなんだが、真面目に生きていた。どの先生のことも心から信頼し、言うことをきく模範的な学生だった。この先生のレッスンではこう、あの先生のレッスンではこうと言う具合に、そこに矛盾はあっても信じて疑わないし、真面目に実践していた素直な生徒だったと思う。
時が去り、今、色々なことがわかってしまうと、私が受けた教育、主にテクニックだが、その常識に違和感を感じる。
その常識は残念なことに、未だ世界中で常識で居続け、多くのピアニストたちがそれに縛られたままだ。
その中、つまり
井の中の蛙
状態では、残念ながら何も変わらず、歴史的に見て、異を唱えた者だけが、なんの世界でも一握りだけいて、ある領域に到達できる。
自信を持って教師たちは、常識の範疇で生徒に指導する。そこに悪意はない。だが、その常識は正しくないかもしれないと思う、疑う、もしくは頭の柔らかさが生徒の側には必要だ。
先生を頼りきってはいけない。
良くも悪くもそこにはヒントはある。
そこから、どう考え、感じ、選択して実行するのは、あくまでも自分。開拓者の精神があってこそ、新しい発見がある。
まずは自分が習った、習っているテクニックの常識を疑うことが大切。
私は思う。素晴らしければ足で弾いてもいいのだ。
未だ第3関節(指の付け根)は山にして!というレッスンが常識だが、私にとってはウソの教えであり、そのことに気がついていない人々であふれている。
常識を疑う、好奇心がなくては先につながらないのだ。