たった1センチの深さしかない鍵盤を扱うということを初心にかえって思うことは大切。その扱いが紙一重の差しかなくとも、出てくる響きは紙一重どころか雲泥の差なのである。それくらいピアノという楽器は繊細にできている。その事実をしっかり受け止めなければいけない。世の中、あまりにも鍵盤を大雑把に扱っている者がいかに多いかを実感せざるを得ない。たった1センチの中には広大な宇宙が存在するのだ。鍵盤がたった1センチの深さしかないということを忘れてしまっている奏者が世界には溢れていて、1センチの重みを感じるべきだし、そこにロマンを求め精進することを忘れてはならない。