1308.狙う1センチの深さしかない鍵盤。そのたったの1センチの中に果てしない宇宙が存在する。その狭い狭い1センチの中のしかも紙1枚分とも言える非常に非常に狭い範囲を上手く捉えられた時にだけ、ホワッと響きがふくらむのだ。そのふくらみが出た時に音に色が存在することになる。世界中の多くの演奏者は残念ながら、その点を捉えていない。その微細なコントロールがされていない。多くはその点より深いか浅いので色の変化がない。その点を捉えて自由自在に表現するということを追求するおもしろさ、醍醐味を知るべきだと思う。