声楽家が長い音を歌う場合、息をたくさん吐く。細かくて速いパッセージを歌う場合、息の量は少ない。
ピアノの演奏でも同様のことが行える。鍵盤の前方向に手首が大きく動き、鍵盤にたくさんもたれるほど、息の量が多い音になる。少しだけもたれるなら、少ない息の量。
また、ピアノの場合、そのままそっと鍵盤に指を置くと、息を止めた音。
また、手首を手前に引き寄せると、息を吸った音になる。
そのように弾いてこそ、音や音楽に呼吸が生まれ、自然なテンポルバートが生まれ、表情が豊かになるのだ。
一般には手首を前や手前に動かすことなどしないので、音の呼吸がない演奏になってしまい、私には自然な音楽には聞こえない。