倍音が豊かに鳴り響いている状態は、楽器から音が鳴っているように聴こえない。もちろん音の発生源は楽器なのだが、響きが楽器から幽体離脱しているような、天井高くぽわ~ンと存在するのだ。不思議な感覚にとらわれる。基音などまったくしない。

そのためには、最近試していることなのだが、頭が鍵盤の真上に存在するほど鍵盤近くに座り、その際、足は今まで以上に上体を支えるので踏ん張った状態にする。そして、肘は背中より後ろに来る場合もある。これは確かめたところホロヴィッツが行っている。まだ実験段階だが、色々な生徒に試させている。

明らかに皆響きが変わるのは不思議。