ここでは身体的な意味の話。一般にはピアノを弾こう!と思って、いざ鍵盤に向った時に身体的には指先が何よりも速く瞬時に頭の中に浮かぶと思う。ピアノは指先で弾くものというある意味では自然な発想からくるイメージだと思う。それに実際に鍵盤に触れるのは指先だから。しかし私の感覚は気が付いてみると大きな変化を遂げていた。それは指先をイメージするのは、実は一番最後なのだ。いつからそうなったのかは覚えていないが、気が付いたらそうなっていた。そうしたら、演奏するときに色々なことがピタッとはまるようになった。まるでジグソーパズルのごとくに。それでは身体的にどこを最初にイメージしているのか?実は背中の肩甲骨であり、もっと言ってしまえば、足のつま先なのだ。エネルギーの源は足のつま先に起源を発し、そのエネルギーがだんだん身体の上に行く。背中の肩甲骨まで。そうしたら今度は身体の前方へエネルギーは移動し、腕を通って、手首を通って、最後が指先なのだ。自分でも不思議に思うし、誰に教わったわけでもないのに行っている。その感覚でピアノを弾くと、全身を効率的に使って弾くことになると思う。これぞ地に根を張った状態と言えるし、音楽そのものにパワーというかエネルギーが宿る。ごくごく自然な演奏になると思う。