純粋に技術的にも、表現する意味でもおおざっぱだが、25種類のタッチに分類した。もちろん、25種類に限定できるものではないのは百も承知の上。でもこの25種類を自由に使えるようになると、実に演奏が表現豊かになり、聴いていて面白い。
1 前腕の屈筋
1.0
手首を旋回させ指を斜めから打鍵する、その際、前腕の屈筋を使う
1.5
虫様筋と前腕の屈筋を指で鍵盤から持ち上げる、虫様筋を引き上げるタッチ
グッとうねりのある濃厚な音
1.75
手の中に指をよせるタッチ、虫様筋、短母指屈筋に力を込めて手の中心に寄せる
明るい音
2 虫様筋
2.0
虫様筋を下方向に突き出すように使って置くタッチ
丸みをおびた音
2.1
虫様筋を前方向に突き出すように使う、さすタッチ
緊張感のある音、重い音
2.25
虫様筋を瞬間的に使い、鍵盤の浮力を感じる。脳のトレーニングでもあり、鍵盤の浮力を感じるほど脱力
ホワっとした軽くてやわらかい音
2.3
虫様筋を使い、指をバウンドさせるタッチ
粒立ちの良い軽い音
2.5
虫様筋を使い、鍵盤の底に寸止めで置くタッチ、比較的多用する
響きが上に立ち昇る音
2.75
第二関節から先で、はじくタッチ
軽い音
2.9
指先でもたれる、肉と爪の間に集中するタッチ。
凝縮された音。
3 瞬発力
3.0
虫様筋を働かせて指先にもたれかかる。
重たい音
3.5
指先から虫様筋に瞬時にもってくる。
空間に飛んでいく、明るめの音
3.75
指の支えをしっかり作り、手首の回転で弾くタッチ
くいつきのある音
4 フェザータッチ
4.0
手首を起点にして鍵盤をなでる。
響きが溶け合うやわらかい音
4.5
肘を起点にして鍵盤をなでる。
響きが空間で混ざり合うやわらかい音
4.75
指の中を空洞にして、指を伸ばして置くタッチ
色のない音
4.9
第二関節の部分で、こねるように打鍵するタッチ
くいつきのある濃い音
5 オクターブ
5.0
手のひら根元の方をしっかり支えて、トレモロの動きをする。
オクターブの支えの基本
5.1
鍵盤に触れたところから、前方向に置く。
緊張感のあるオクターブ
5.2
鍵盤に触れたところから、手前方向に置く。
内向的なオクターブ
5.4
お尻をもちあげて、鍵盤にもたれかかる。
エネルギーのある深いオクターブ
5.5
鳥の翼のように手首を使い、空気をふくませる。
空間に広がるオクターブ
5.6
前方向に吐くように、空気をふくませる。
膨らみのあるオクターブ
5.9
手の中によせて、はねあげる。
あたりがある、鋭いオクターブ
6.0
はねあげるタッチ
存在感のある鋭めの音