一般的にはいろいろな練習方法を駆使して弾けるようになる。私も付点のリズムやらスタッカートなどやったもんだ。そこには苦行というか忍耐が要求され、その機械的な練習を長時間しているうちに、私の頭はもうろうとしてきて意識が飛んでしまうこともしばしばあった。なかなか集中できるもんではないと子供心に感じたものだ。コルトー版のショパンのエチュードにも色々な練習方法が載っていたが、効果があったんだかなかったんだか今では記憶がない。個人的には「○○練習法」という書籍はたくさん出ているが、今の私にとってはいささか不思議な存在だ。(そういう問題ではないと声を大にして言いたい!)

これは考え方の問題だが、良い奏法を身に付けると、そのような類の色々な練習方法は必要なくなる。逆から言えば、弾き方が悪いと、どんなに色々な練習をしても弾けるようにはならないと言える。誠に持って個人的な見解だが本当にそう思うようになった。経験値から得た産物。

では、何をするのか?

使うべき身体の筋肉を使ったうえで、ペダルなしで(ここ重要!)、片手ずつ、指先を鍵盤にしっかりとしかもゆっくりと

フィンガーレガートで載せてゆく、コネクトさせていくだけでいいのである。その際ピンと張りのある音、引き締まった光沢のある音色を求めなければならない。ただそれだけをする。これをやらなければ、指が浮いてしまったり手が固まってしまったり、技術的上手く弾けるようにはならない。驚くべきことに技術的な意味での練習というのは至極単純なのである。

こんなに楽な練習方法なら、ピアノが嫌にならないだろう。単純だが効果絶大である。あとは弾き方が物を言う。