人は何事に対しても期待してしまう。誰もが、期待を裏切られてがっかりすることのほうが圧倒的に多いと思う。

毎日レッスンを何人もしていると、それが日常の当たり前のこととして実感する。

そもそも自分の思い通りの演奏、それはステージという意味においてだが、そんな演奏なんてめったに聴くことができるはずもないのだとわかりきっていること。聴いていて、「おおっ~!」とか、心奪われることなんか起こりもするはずがない。

ただ、面白いことに、生徒にそのような大きな期待をしないで演奏を聴き始めると、予想に反していい演奏に出会うことがある。

「うわっ!すげー!」といった具合に。

 

期待するから、裏切られたと人間は自己中心的に思う。

期待しないくらいがちょうどいいのだということを、この仕事を続けてきて思うようになった。

それはあきらめではなく、何事もほどほどという程度に捉えたほうが、私にとっても生徒にとっても実はよいのだということ。