作家、吉本ばなな氏の言葉。

「芸術家は世間の壁に風穴を開ける存在であってほしい」

とあった。この言葉は私に親近感を覚えさせた。

 

思うに、芸術って、どの分野でも保守的になりやすいと思う。だからと言って、異端や革新が必ずしも良いものとは限らないので手放しには喜べないのだが。

 

でも歴史は物語ってきた。ある種の異端や革新が芸術上の天動説から地動説へと変化を遂げさせてきたのだ。今ある当たり前のことが100年後にはもう古い、表と裏ほど変化しているのかもしれない。

 

例えばバッハが、のちの世にドビュッシーが出現するとは思っていなかっただろう。芸術家は、いつもどこかで、その伝統を踏まえつつ、その伝統を壊していかなくてはならないのかもしれない。いつの世も、例えば当時のモーツァルトは現代音楽、もしくは今でいうところのロックなわけだったのだから。

 

ロシアピアニズムも確固たる伝統がある。がしかし、まだまだ100年余り。この伝統を踏まえつつ、私もより一層新しい何かを目指して歩んでいかなければならない。残された命が続く限り、もっと合理的で美しい音へ向かって歩み続けなければならない。