打鍵は多種多様であるが、私が最も多く好んで使うタッチというものがある。

これはソコロフやガヴリーロフの映像からヒントを得て、それにより出てくる独特の美の世界に憧れた末、理解し出来るようになった。

まだ先週、自覚したばかりのホヤホヤ。

 

指は金づちだとイメージすることに始まる。そして第2関節から先は脱力する。第3関節から第2関節にかけての虫様筋を真下にアクティヴに動かす。その際、鍵盤の底に打ち付けたり突いてしまわないよう、指先は鍵盤の底で寸止めをする。そして瞬間的に鍵盤に指先を置いて、一瞬だけ鍵盤に指先だけをもたれる。

これをすると、見た目には普通に弾いているように見えるのだが、出てくる音は全く違う。これをするためには虫様筋が発達していなければ、先ほど述べた寸止めができない。

このタッチができると音は驚くほど雄弁に歌いだすのだ。

私のメソッドでは基本のタッチに1番、2番、3番とあるが、このタッチは2.5番と名付けている。もちろん、指先と鍵盤の接点の関係を含めたタッチを考えると4種類しかないわけではない。無意識に行っていて、まだ自覚していないだけである領域も含めると無限大にあるのかもしれない。