もう小学生になってたかなぁ。
母親に買ってもらったピアノのレコード。
夢中になった。
聴いていると背中というかお尻のあたりがむずむずとしてきた。
安いプラスチックでできた赤いレコードプレーヤー。
レコード盤が擦り切れるほど聴いていた。
中でもアレクサンダー・ブライロフスキーの弾くショパンはお気に入りだった。
マセタガキだったのかもしれないなぁ。
亡命ユダヤ系ロシア人だなんて知識もないのに何かを感じたのかもしれない。
誰にでもそんな時があったのではないか。
夢中になったあのころ。
何もわからずにただただ我を忘れるほどの子供にとっては大事件ともいえるような出来事。
そんな思い出を持ち続けることは自分だけの大切な宝物。
そしてそのまま大人になった。
信じられないかもしれないが自分は自分のままで今があるのだ。
もう50年近く前から何も変わっていない。
これから先も変わらない。
変わりたくない。
あの時のままの自分で生きていく。