一昨日、生徒の竹澤勇人(桐朋学園大学2年)の弾くラヴェルの高雅で感傷的なワルツをレッスンした。

彼の耳は本当に良いとつくづく思う。

 

そもそもまだ高校生だった時に

自分の音に疑問を持ってレッスンを申し出てきたのだ。

 

それ自体が希少なことだと思う。

何でも弾けるテクニックを持っている者に限って

自身の出している音や響きに疑問を持つものは少ないと感じる。

 

やはり耳の違いとしか言いようがない。

 

自分の出している音に疑問を持つことが出来なければ

残念ながら、そういう意味では並のピアニストでしかないと思う。

 

彼がロシアピアニズムの奏法に変え、多分3年か4年目だと思うが

この間の成長ぶりは著しい。

欲を言えば、ラヴェルにしては響きが少々マットで

よりキラッとした光沢がほしいところだが。

 

先日もラヴェルのトリオを聴いたが、やはり美しかった。

良い耳を持った者だけが到達できる美の世界。

そして先天的なセンスの良さ。

ともに重要な要素だと感じる。