今、シューマンの子供の情景作品15の1曲目「見知らぬ国々と人々」のレッスンで思った。
弾くという意味では、さほど難しく無いと思うが、作品の内容を表現するのは大変難しいと思う。何人もの生徒たちが、この曲に苦戦している。
今、率直に思ったのは、この世に存在する作品の多くは哀しみを表しているということ。長調の曲で一見喜びを描いている作品でも、哀しみと喜びは表裏一体であり、わたしにとって殆どの作品が究極的には哀しみの世界だ。
そこには、優しさ、温かさ、嬉しさ、はかなさなど、慈愛に満ちた哀しみだと感じる。
天才が遺した世界とはそういうものだと思う。
雪がしんしんと降り積もる外の世界から暖かい暖炉の部屋に入った時のような、人の優しさにふとふれた時のような慈愛の精神に満ちている。