楽器からは音が出る。これは誰でも認知していること。子供だって知っている。
楽器からは響きが出る。これは誰でも認知しているだけのことであって、それを具現化できるピアニスト、それをステージからなら聞いたことはあっても間近で聞いたことのある者は少ない。
音だけで奏でるピアニストは山のように存在するが、音と響きで奏でるピアニストは希少な存在だと思う。
音で音楽を作ることと音と響きで音楽を作ることは同じ次元にはない。ピアノを弾くという行為は同じだが、創造できる宇宙は異次元。
この件について述べること自体、私には既にどうでもいいことになりつつあるが、それでもあえて提言し続ける。
なぜだろう?自問自答しても簡単に答えは見つからない。私自身の無力ささえ感じてしまう。
でも、もしかしたら1人でもそのことに気付いてくれる人がいるかもしれない。
だとしたら、私はこのことを微力ながらでも訴え続けなければならない。