私も含め、猫も杓子も留学をするものは多い。
今でこそロシアに留学するものは増えた。
昔、ソ連だった頃は自由に留学できなかったことを知る人も少なくなってきていると思うが。
ロシアに留学し、ロシアピアニズムを勉強するということだが、ここには大きな壁が存在している。
ロシアじゃなくてもロシア人に習いに行くことも同じ。
それはテクニックの大幅な改善が必然となってくる。
伝統あるロシアピアノ楽派の壁は想像以上に大きいと言わざるを得ない。
はっきり言って、たかが数年、ロシア人に習ったからと言って習得できる代物ではない。
私は帰国後も含め、ここまで来るのに27年かかった。
これは現実だと思う。
数年ロシアに留学しただけで、自称ロシア奏法の教師と言っている者であふれてきたことに戸惑いを感じる。
「あの先生はロシアに留学したのだから、ロシア奏法を学べる!」
と皆安易に考えるだろうが、その多くは残念ながら違うと感じる。
そんなに簡単に習得できることではない。
そもそも、これはロシアピアニズムに限ったことではない。何の分野でも、極めるにはそれ相応の時間とエネルギーがいる。命を削って、人生をかけて耐え忍んだ者だけがその境地に到達できる。