最近、二コラーエワのバッハのビデオをよく見ている。
彼女ならではの独特の比類なき美の世界に魅了されて早27年。
魔法のような世界だと驚嘆のあまり開いた口がふさがらなかった。
それにしても、彼女のような美の世界は、残念ながら現代のロシア人の多くには継承されていないと感じる。
個人的には超有名所ではガヴリーロフ、ソコロフ、プレトニョフあたりにしか継承されていないように思う。
圧倒的に力で押しまくるロシア人ピアニストのほうが多い。
多分、ロシアと聞くとそのような演奏を思い浮かべる人のほうが多いだろう。
抒情的なタイプの詩情豊かな演奏は失われつつあるように感じる。
現代のほとんどのロシア人ピアニストを聴くと、がっかりしてしまう。
とにかく弾きまくるタイプのロシア人またはモスクワ音楽院出身のタイプが多くなってしまった。
そこには色も香りもない。
にせものであふれている。
歴史と伝統あるロシアピアノ楽派の崩壊といってもいいだろう。
それにしても私自身、勉強に終わりはないが、よく27年もかけて今の地点まで到達できたと我ながら奇跡に近いと思っている。1つの節目を感じる。
ピアノをどう扱えばよいのかに疑問だらけだった27年間。
今、そこから解放されて、やっと音楽に集中できるようになれた気がする。
ピアノの扱いを探求することも楽しくはあるが、それよりも音楽をどう作るかに集中できるようになったほうがより楽しい。
やっと基礎の段階が終わったと言えるのかもしれない。