生徒はモスクワに10年留学し大学院もロシア語で書き修了。その後、私の下で勉強を始めて7年になろうとしている。日本の大学でも教員をし、演奏活動も頻繁に行っている。
そんな生徒であっても、先日のレッスンで生まれて初めてバッハの2声が弾けたと喜んでいた。本当に嬉しそうであった。
バッハの2声と言えば、インヴェンション。
皆、子供の時に必ず弾く曲。
2声なんて簡単!
と思っている人も多いだろう。
しかし、残念ながら、そうは問屋が卸さない。
あなどるなかれ。
2声のポリフォニーを芸術的に弾くことの難しさを。
本当の意味で2声を弾くということは、実は果てしなく難しいと思う。
まず1音に始まり、小さなフレーズ、そして単旋律のすべて、そして2声同時にすべてが有機的に存在しなければならない。
そのためには、究極の響きが不可欠であり、2声が絶妙なバランスで共鳴しなければならない。
恐るべし2声。
その生徒が自分の演奏に求める飽くなき探求心には脱帽。