あるピアニストのための有名な著書に、指には筋肉は一切ないと書いてあった。
ふ~ん、そうなのか。と考えを改めたのだが
ふと疑問に思った。
私は、長年指のトレーニングをしているが
私の指も生徒たちの指も同様に太くなっていってる。
なにがなんだかわからなくなってしまい慌てて私が信頼している主治医の先生の下へ向かった。
主治医である小林中医学博士(東京女子医科大学非常勤講師、東海大学医学部客員准教授)に伺ったところ
指には筋肉がないわけではなく、少なくとも虫様筋という筋肉がほぼ第2関節まであるとのこと。
指に筋肉はあるではないか!
調べたところ、この虫様筋の役割は、日常では物を指先でつまんだり、指を伸ばしたまま付け根だけ曲げるなどの動きに貢献するそうだ。
思うにアルゲリッチの奏法やホロヴィッツの奏法では、虫様筋が活躍しているように思う。
じゃ、屈筋と伸筋はどこにある?
それは前腕にあって、通常ピアノを弾くときはその前腕にある屈筋と伸筋を使っているそうだ。
その本によると、屈筋と伸筋は互いに反対方向に動きを作り出し対立筋と呼ばれ、対立筋が緩まないと、楽に動かすことができない。対立筋が緩まないと2種類の筋肉群が互いに反対方向に引っ張りあうことになり、これが「同時収縮」と呼ばれ、過剰な同時収縮は炎症の原因にもなるそうな。
要するに力んでしまったりすると故障するということ。だったら、初めから屈筋と伸筋の両方を使わないイメージを持つほうが、いいのかもしれないと思った。
従来の奏法にみられる、指弾きだと指を上にも上げ、手が宙に浮いた状態で鍵盤にもたれられないので、伸筋をたくさん使ってしまう。
前腕にある屈筋の方だけ使うイメージで弾いていたほうが安全なのかもしれない。
要するに指は上にあげないということ。
私が技術的に上手いと思うピアニストは、アルゲリッチやソコロフやガヴリーロフなどは当然、指弾きなどしてないし、屈筋主導で弾いていると思う。
とにかく、屈筋と伸筋は確かに前腕にあるが、指には虫様筋という筋肉はある。
その本を読んで、確かに良いことがたくさん書かれていて参考になるが、単純に指に筋肉がないと思うのは間違いなのかもしれない。