私の門をたたく人は、自分の今の奏法に疑問を持っているか、自分の出す音が気に入らない、もっと倍音豊かに響きで弾きたいという衝動にかられ申し込んでくる人が多い。
そのようなことを思うことができる、感じられる感受性を持っているということ自体、私からしてみれば、賞賛すべきことであり、私ではなくとも、同じようなことを学べる教師に習えばよいと正直思う。
ただ何事も忍耐が必要であり、簡単には手に入らないことである。
だからこそ、簡単ではないから、興味深いのかもしれない。
耳というものは聴こえているつもりでも、多くの人が聴こえていないのが現実だから、そのことに気が付くだけでも、その人は何かを持っている人だと思う。
簡単には手に入らないことに対峙しようという頭の柔らかさと勇気は称賛に値する。
まずは焦らないことが大切。
例えば、1曲弾くのに100の音があったとして、最初は10でもいいから倍音豊かな響きの音が出れば素晴らしいこと。
それが時とともに、20,30、と増えてゆけばよいと思う。
そうやってピアノ人生を謳歌してほしい。