モーツァルトのヴァリエーションのレッスンで、たかが完全終止に感動した。
されど完全終止なのである。
何でもない、誰もが当たり前のように弾いてしまう完全終止。
5度と1度のつながりの狭間に奇跡が存在していると思った。
そう、人がこの世からあの世へと行く瞬間のように尊い。
思うに作曲家というのはいつも死を見つめていたと思う。
死を見つめ、死を恐れ、死を受け入れていたであろう。
演奏者は、それを完全終止に感じなければならない。
ゆっくりと弱音で倍音豊かな響きに耳をそばだてて感じるまで待つと良い。
宇宙が3分でできた奇跡のごとく、完全終止も宇宙の産物であり奇跡だと思えば、こんな一大事なことはない。