ある生徒が言った。
ベートーヴェンは大変ですね。
私は嬉しくなった。
ベートーヴェンを弾くことの難しさを真に感じたであろうことに。
若い学生にありがちなのは、古典よりも華やかなロマン派や近代の作品に傾倒しがちなこと。
確かにそこにはある種の人を引き付ける魔力が存在している。
いかにもヴィルトォーゾな魅力を存分に発揮できる作品が山ほど連なっている。
若者が惹かれてしまうのも致し方がないだろう。
でも、やっぱりバロックや古典の作品の宇宙には到底及ばないと個人的には思う。
とりわけ、私はモーツァルトとベートーヴェンに惹かれている。
その生徒の将来が楽しみだ。