友人であるロシア人ピアニスト、マキシム・モギレフスキーの演奏を聴いたときのこと。
リストの作品だったと記憶しているが、高音部でフォルテの和音を弾くときに、ダンパーペダルを踏まなかったのである。
珍しいことをするなぁ!と思ったものである。
一般的には、ほとんどのピアニストはそのような場合、ダンパーペダルを踏んで豊かに響かせると思う。
彼になぜそうしたのか?理由を聞いたら
「乾いた響きにしたかったのさ!」
という返答。
なるほどね。
私の中で当たり前になっていた既成概念が音を立てて崩れた瞬間だった。
要するに、当たり前かもしれないが、本当に音色というものに対して演奏の中に意識があるから行うことだと思う。
以前も書いたが、どんなに上手くとも、音色に対して意識が希薄な若いピアニストが大勢いる日本人と、そうではない意識を強く持っているロシア人との差を改めて感じた。