私は、幾人かの肉親の死を見届けたことに起因すると思うが、その後の様々な経験、思索から、死というものを受け入れられるようになった。
死というものは恐れることではなく、あまりに自然なことで誰しもがいつかは迎えることである。
人は死を受け入れられた時に、初めて生きる意味を悟るのではないか?
生きる意味を悟った作曲家の作品や演奏家の演奏には、特別な何かが宿るような気がする。
芸術家の本領が発揮されるのはそこからかもしれない。
シューベルトの最後の1年に作られた作品が特別なように。
嬉しいことに、私は既にいつ死んでもかまわない境地に至っているが、そう思えるようになってから、芸術の魅力が本当に感じられるようになった気がする。