例えば、数日でも練習を怠ったとしよう。
一般的には、それによって自分の指がなまってしまったように感じるはずだ。
私の感覚からするとそれではよいテクニックを持っていないと思う。
人間の身体の使い方というのは、スポーツでもそれぞれの楽器においても、考え抜かれた非常に高度な領域というものがあると思う。
ピアノ演奏において、私が思う良いテクニックか否かの判断基準はそこにある。
理想は、1週間弾かなくても、指がなまったと感じることがない弾き方だ。
そんなのないでしょう!と思われる方も多くいると思うが、現実にはそのような高度な領域がある。
それはもしかしたら門外不出の企業秘密のようなごくごく限られた人にしか継承されていない演奏法なのかもしれない。
特に旧ソ連のピアニストたちの演奏を聴いていると、鉄のカーテンの向こうで行われていたに違いない凄みを感じる。