演奏しているときに響きが生み出される。
多種多様な色とりどりの響き。
それを耳で聴きとるのは当然のことだが、実はもっと大切な感覚があると思う。
それは顔の肌で空気の振動である響きを感じることだ。
肌で感じることにより、耳で聴くという意識よりも、より感覚的になり、その感覚の中に深く入り込んでいくことにより、より鋭敏で繊細な波動を感じることができるだろう。
その境地に達すると、もはや演奏は運動ではなくなり、精神世界に入り込みトランス状態と言ってもよい。
そうして初めて、作品の持つ神聖な領域を感じることができるだろう。