今、ショパンとリストのレッスンをした。方やショパンのソナタ第2番「葬送」第2楽章、
方やリストのバラード第2番。
同時代を共に生きた2人の大天才の作品である。よって興味深くないわけがない。
ピアノ音楽の最高峰とも言える作品たちを多く生み出した2人。
今、湯気の立っているホヤホヤのうちに私が感じたことを記しておこうと思う。
ショパンは言わずと知れた「ピアノのベルカント」と呼ばれた人物。
特にベッリーニのオペラを好んでいたという。
「葬送」全曲を通して貫かれるのは、不幸な人物で女性を連想させる人物(でもそれは、もしかしたらショパン自身を投映させたのかも。)を通して描かれている「悪魔」に怯え、憑りつかれた世界。
第2楽章の主部はその主人公の薄幸ともとれる残酷でリアリスティックな境遇。
それに対して中間部はオペラにある「狂乱の場」とも言える主人公の打ちひしがれた境遇を淡々した運びで描かれているように思う。だから決して歌い上げてはならない。
それはあまりにも酷な現実を逃避した世界であり魂は既にこの世にいない。
一方、リストのバラードの主人公は多分男性。
表題の通り壮大なスケールの話である。
紆余曲折を経るストーリーに聴く者の心は奪われてしまう。
非常に甘味なロマンティシズム溢れるフレーズが出てくるが、全体としてはむしろ英雄の生涯とその相手のヒロインの物語。
こちらの方はヴェルディを思わせるヴェリズモの世界。
終曲部、クライマックスでテーマが長調で繰り返し繰り返し現れる。
それはまさに「愛と喜びの賛歌」と呼べる歌が歌い上げられ、物語はハッピーエンドで幕は下りる。
両者のタッチの違いについては、ここで述べるのはあえて差し控えておこう。それをしてしまうほどヤボなことはない。せっかくの素晴らしい音楽に対するイメージが台無しになってしまう。