皆がピアニストに憧れ、幼少のころからレッスンに通い、音楽大学に行き、コンクールを受け、留学をし演奏会をする。まるで1行でも多く音楽歴が膨らむように頑張っている。
なんとなく、誰しもがこのコースをたどることが普通になってしまっている日本のピアノ界の現状に違和感を感じるのは私だけではないだろう。
皆がそうするから自分もしなければと思うのだろうか?
私は最近つくづく思って仕事をしているのだが、ピアニストを育てる前に本物のピアノ教師を育てなければならないと。
正直、ピアニストはたとえ一流のレベルでもそう多くはいらないと思う。
それよりも一流のピアノ教師の存在のほうが社会には必要であると思う。
一流のピアノ教師が多く存在してこそ、その伝統は継承されていくものだと思う。
世界の一流ピアニストが実際に何を行っているのかを、どうやってピアノを扱っているのかを知っているピアノ教師を育てるのが今の日本のピアノ界には最優先であると思う。
日本のピアノ界の現状は、私が思う理想とは残念ながら程遠い。